群青(radiotalkにて)

群青の夜の尊さに

私は思わず息をのんだ

全ての酔いと幻を

あっけらかんと包み捨て

窓の向こう

淡い月光の中

若いセージの赤い花

つつましやかに

揺れて・揺れて・ゆらとして

今この眼(まなこ)の焦点はどこへ行ったか

検討もつかない

この仄かな闇の清らかさに

私は何度も呼吸を失う

そして肺が、空気などではない

群青色に満たされてゆく

再び息を大きく吸う頃

私は生まれ変わっている

そして、あえかな明日を窓に灯す


※文学極道・2018年7月4日 次点佳作

はかなきトコシエ - 灰草 露 -

灰草 露の詩のノートです。

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